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米国NHTSAが、TeslaのADAS(運転支援システム)の事故調査に関して、12社から事故状況などのデータを要求している。

 2021.9.15 米国の自動車安全規制をつかさどるNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)がTeslaのFullSelfDriveシステムを使用中に発生したとみられる12件の事故について調査を行っている。 https://www.autonews.com/regulation-safety/nhtsa-seeking-driver-assist-data-12-automakers-tesla-autopilot-probe 今回NHTSAは上記の目的のため、ADASの機能を市場に提供している12社から、詳しい事故などの市場データの提供を求めている。要求に応じなければ115M$の罰金を科せられる可能性があるという。 要求されているデータは、ADAS市場投入台数、累積走行距離、事故の起こった状況、市場クレーム情報などをすべて出すように要求している。 さらに、システム使用中のドライバーの運転関与を確実にするための方法や設計条件を外れた使用防止するための方法/技術について質問している。 TeslaのFullSelfDriveシステムは、Level2のシステムでありながら、ドライバーの監視などは使われておらず、ステアリング操作力の有無だけで判断をされている。 このため、米国では、ステアリングに重りをぶら下げて、あたかも人間が操作しているとシステムに思わせ、車を勝手に走らせるようなことが横行している。 衝突事故の危険が発生した場合でも、自動ブレーキ(AEB)がきちんと機能をすれば事故による損害はだいぶん軽減されると思われるが、車間距離制御機能(ACC)を補完するAEBの守備範囲が大分狭いと思われる。 YoutubeにアップされているTesla車の事故映像を見ると、大半が、ノーブレーキで障害物に突っ込んでいるように見える。 自動ブレーキの場合、誤ブレーキがつきものである。障害物でないにもかかわらず車が勝手にブレーキをかけてしまうとユーザの不満が大きくなる。そこで、なるべくAEBがかからないような設定するという話も聞いたことがある。 今回、各社から詳細な事故、設計情報を収集し、比較すると、各社システムの生々しい実態があらわになるかもしれない。 自動車会社の取り組み姿勢もいろいろあり、NCAP等のアセスメ...

Teslaのハードル

 2020.11.24 Teslaが米国コンシューマレポートで評価を落としている。 RTE(https://www.rte.ie/lifestyle/motors/2020/1122/1179736-tesla-models-face-consumer-criticism-over-reliability/)の記事によると、最新の信頼度ランキング(2020年)で、26社中25位になった。クレームの内容は、ボディパネルの合わせがずれている、ペイントに毛髪が混じっているなど、おそらくカーメーカとして超基本課題に関わることがメインである。特に今年発売された新ModelYが問題のようである。 さらにNHTSA(National HIghway Traffic Safety Administration)は、Tesla車に使われているタッチスクリーンに絡む不具合問題を調査中といわれている。Tesla車では、社内でメカニカルなスイッチ類は極めて少なく、多くの操作がタッチスクリーンを使ってなされる。このため、窓が曇った場合に曇り取りができない、さらに警報表示ができない、後退時のリアビューカメラが使えないなどの安全上の問題につながるという。NHTSAによると、市場を走っているTesla車の8%くらいがこれに関するクレームもしくは不満を訴えているとみている。 Teslaは、AutoPilotなどの斬新な機能と、スポーツカー並みの加速性能、スマホ並みのアップグレード機能などを前面に出して高価格で販売するビジネスモデルで高級車の領域から、EV市場を開拓してきて、それなりに成功した。現在米国EV市場のシェアトップ(58%)を獲得しており、二位を大きく引き離す。 しかしながら、AutoPilotの機能を含め、Teslaをターゲットにしたモデルが、各社から雨後の竹の子のように出てきており、徐々にキャッチアップがなされてきている。 Daimlerは米国で自動運転レベル3の車両を投入するといわれている。GMはすでに同様なSuperCruiseを米国で販売中であり、更に機能を拡張した”UltraCruise”の投入も検討中である。ソフトウエアの更新機能も当たり前のように対応してきている。運転支援機能の差は徐々に詰まってきており。ほとんど差異はない。当然各社EVを出せる。 こうなると当然、ユー...

今、日本の自動車部品サプライヤーがやばい。

2020.8.25 日本の家電、半導体が没落して久しい。 かつては、世界に敵なしという栄華を誇っていた。 思えば家電は、ビデオが最後の栄光で、後は地デジの特需狂騒に踊り狂って、最後は華々しく各社が散っていった。 家電の王者のパナソニック(かつては松下電器、ナショナルブランド)もいまや当時の面影がない。サンヨーというユニークも会社もあった。60年程前、三洋の太陽電池を使ったラジオキットで遊んだ記憶が懐かしい。 誇り高きシャープ、パイオニアも今や中国資本の会社。プロジェクトXのJVCは今やケンウッドと経営統合。 おごれるものは久しからずである。 翻って自動車の世界を眺めると、今、世界最強の自動車産業のピラミッドを支えてきたTier1部品メーカが危うい。 エンジン、モーターなどは専門分野外で事情は分からぬが、自分がかかわってきた車載情報、予防安全分野は海外勢に押しまくられ、青息吐息状態である。 車載ナビ技術を誇っていた会社はかつては何社もあった。今、最近は車載の情報機器は、ものすごいことになっている。大画面のメータパネルはフルのビットマップ表示になっており、安全を含む様々な情報を表示する。さらにConnectedになり、その重要性が増大するばかりである。この重要なシステムの競争に参加できている日本メーカは一体何社あるだろうか? 予防安全分野しかりである。かつては世界初のGPSナビ、ALL MMICのレーダを開発、世界初のレーンキープなど、世界初の〇〇という宣伝文句が新聞などをにぎわしていたが、最近はほとんど海外勢になってしまった。 キーセンサであるミリ波レーダなど日本勢は圏外である。しかも残ったサプライヤーもコスト、技術で海外勢に押しまくられている。 もう一つのキーセンサであるカメラもしかりである。 世界初のマップマッチングの車載ナビは、今は亡きEtakというアメリカのベンチャーだった。しかしながら、量産車に乗せられる高度なナビを開発したのは、日本である。 海外勢は日本の足元にも及ばなかった。 今や、”そんな話嘘だろ”といわれるのが落ちである。 今自動運転に向けてキーセンサと騒がれているのが、Lidar。今夜明け前で多数の選手、おそらく100社以上が死にもの狂いで競争をを繰り広げている。この競争に参加できている日本メーカはこれ...

VWがアメリカで、自動ブレーキの集団訴訟を抱えている。

2020.8.25 VWがアメリカで、複数の自動ブレーキ(AEB)の集団訴訟を抱えている。 カリフォルニアの例では、VW, Audiとともに部品メーカのBoschがセットで訴えられている。弁護士事務所が活発に動いて”被害者”を募集している。 https://kehoelawfirm.com/active-investigations/volkswagen-audi-aes-automatic-emergency-braking 訴えによると、Boschのミッドレンジレーダまたはロングレンジレーダを使ったAEBを装着したVW/Audiの車両が障害物が何もないところで突然ブレーキをかけるというものである。上記HPを見ると、BoschのAEBとなっており、BoschはセンサのみではなくAEBのソフトウエアも開発したようである。各社は以前からこの問題を認識しながら、無視をしてきたと訴えている。 ちなみに他社でも同様の問題は発生しているが、リコール等で終息を図る例がほとんどである。 AEBの歴史は意外に古く、2003年にホンダが世界初のプリクラッシュブレーキを出したのが最初だとされている。聞くところによると、やはり誤ブレーキの心配が大きく、非常に保守的なブレーキの制御を行い、万が一誤ブレーキが発生しても影響度が小さいような制御をしていたと聞く。現在のようなフルブレーキをかけることなど夢の夢であった。 その後技術が進み、Volvo(2009)が低速で作動するAEB、SUBARU(2010)がより作動範囲の広いAEBを出し、現在に至ってAEBの花盛りになっている。 AEBの開発の歴史は、誤ブレーキとの闘いの歴史でもある。誤ブレーキの要因は、障害物の誤認識がほとんどを占める。 如何にに誤検知の少ないセンシングを実現するかがカギになっている。 走行環境が違えば違った問題が発生する。 そのため自動車メーカは、膨大な距離の走行実験を繰り返し、問題を見つけ、問題を理解し、対策を考え、対策効果を確認してというサイクルを長い時間かけて果てしなく行って来ている。 問題の中には、対策が不可能な例も出てくる。その場合には、ユーザに安全性を損なわないような落としどころを探しだす必要がある。 ここで、車という商品を理解していないと落としどころは探し出せな...